あせとせっけん(1) (モーニング KC) [ 山田 金鉄 ] 価格:691円 |
連載中:既刊2巻〜
あらすじ
女性に絶大な人気を誇る化粧品&バス用品メーカー・リリアドロップに勤めるOL・八重島麻子(やえしまあさこ)は、重度の汗っかきなのがコンプレックス。
デオドラント製品が手放せない生活の中、ある日、商品開発部の名取香太郎(なとりこうたろう)に、「君の体臭は素晴らしい! 新商品の石鹸開発のため、これから毎日、君のにおいを嗅ぎに来ます!」と言われてしまう。
でも、においを嗅がれるのは、そんなに嫌でもなくて……?
あせとせっけん / 山田金鉄 - モーニング公式サイト - モアイ
フェチはスパイス、真髄は超純愛!
とにかく読んできてくれ。
このページから3話まで読めるので。
1話目だけでいい、とにかく読んできてくれ。そして共に語り合おうではないか。
フェチマンガ!と銘打っているので、テーマはもちろん
「フェチ=匂い」です。
これだけを聞くと、匂いフェチとか興味ないんで。
なんて思ってスルーするのはもったいない。本当にもったいない。
あなたがラブコメが好きで、新しい恋愛もの何かないかな〜?なんて探しているのだとしたら、ぜひ読んで欲しい!
匂いフェチなんて言うそんな設定ぶっ飛ぶぐらいのラブコメ純愛がそこにあるから!!
あらすじにもある通り、主人公の八重島麻子(やえしまあさこ)は、重度の汗っかきなのがコンプレックス。
このコンプレックスの書き方が非常によくわかる。
女性なら共感できるものだ。
それぐらい、ライトな汗っかきなのだけれど。
手汗を少しでもかく女性なら分かるだろう、他人に触られた時に何か言われたらどうしよう・・・と言う不安。
実際には相手はほどんど気にしない程度であったとしても、汗っかき体質は気が気じゃないんだよ!!
そんな大人しくて、気が弱くて、自分に自身がない、と言うのが本作の主人公。
気にしなくていいよ!といくらでも声をかけたくなる彼女。
でも、大人になるまでそのコンプレックスを引きずってきたんだもん。
そんな「気にならないよ!」程度で、変われるわけがないんだよ!!
そんな時に登場します、本作のヒーローが。
「君の!匂いが!!好きだ!!!」と放つ、匂いフェチの変態が。
ただこれを放つだけの男なら、女性読者はドン引きです。さらに本当にただのフェチマンガに成り下がります。
でも、このヒーローは違う。
そう、匂うことで新しい香りを生み出している、そんなお仕事をしているから!!
主人公が勤める化粧品&バス用品メーカー・リリアドロップの開発者だったのです。
そんな設定。
設定と流したらそれで終わってしまうのですが、でも大切な設定。
その設定があるので、女性読者は引きません。
そういう世界で繰り広げられるラブコメと読めていくのです。
青年誌ならではのラブコメ
恋愛ものといえば、まずは少女漫画が思い浮かぶでしょうか?
それとも少女漫画から入っていったでしょうか?
少女漫画で表現されるラブコメでは物足りなくなった方、こちらをどうぞ。
少女漫画によるラブコメはちょっと物足りない。
もうちょっと濃いキスしてくれ!って思う場面もあるでしょう。
けれど実際に濃いちゅーを繰り広げられるものなら、少女漫画の醍醐味をなんだと思っているんだと憤慨するタイプです。
最終ライトキスだけ。それ以外でそれ以上の表現をして欲しい。それが少女漫画。
安直な表現に逃げるなよ下手くそが、と暴言を吐きたくなります。
おっと脱線。
その点、こちらは青年誌!
濃いちゅーどころか・・・どころか・・・!の表現ですよ。
それも、もちろんとってつけた程度ではありません。
これが!このキスが!このセリフが!このベッドシーンが!!重要なのです!!
きちんと物語性に合ってる。それが素晴らしい。
こちらの作品、心の重なりから体の重なりまで。
全部詰めこまれており、大変素晴らしい。
物足りない・・・!と言う自体が発生しません!
いや、もっと・もっとよこせ・・・!3巻はまだか・・・!?という心情になってしまっていますが。
構成が下手な作家とか、エロシーンが多い作家とかによくある
「読者はどうせこういうシーンが見たいんだろ!?こういうおっぱいが見たいんだろ!?」っていうシーンがないんですよ。
いや、あるんだけど作者の意図が限りなく薄い。
作者の意図というより、ヒーロー・ヒロイン達の、登場人物達の意図によって見せられています。
だからこそ心地よい。
読んでいて第三者になる「作者」という存在が薄いと、ラブコメにしっかい入っていけます。
そして青年誌だから、恋愛で発生するあれこれというものが盛込まれており、読み応えが良い。
また、1話読み切りからスタートした連載作品の為。
様々な困難を乗り越えた末のお付き合い!という展開ではなく、一夜からのスタート。
その上で、ゆっくり2人でありきたりな困難を乗り越えていきます。
この「ありきたりな困難」と言うと、物語としてとても弱いように感じてしまうのですが、まるで弱いと感じないのが本作の魅力。
その魅力の源はヒロインにあります。
ヒロインが可愛すぎるんじゃないか?
書いてると忘れがちになってしまいますが、本作のヒロインは「汗っかきがコンプレックスの女性」です。
そんな女性なので?だから??今までお付き合いした人がいないのですよ!
コンプレックスって根深い問題ですよね。
それをゆっくり紐どいて、溶かしていってくれるヒーロー。
全部が初めてのヒロインだから、お付き合いに関する「ありきたりな困難」も、新鮮に大切なこととして描いていってくれています。
だからエピソードとして書くと弱い事案であっても、そんなことはどうでもいい!
もっと可愛いヒロインを見せてくれ!!と。
っていうかもっと弱いエピソードから始めておいてくれ・・・!!
ライバルも!まだ・・・いらぬわ・・・!!
という、なんだか見守りのような読者になってしまいました。
でもエロいんだよ?
そんな純愛カップルを描いてくれる本作品。
でもエロいんだよ???
ヒロイン×ストッキング=エロいんだよ????
前述した「どうせこんなシーンが見たいんでしょ?」と言わんばかりの、読者サービスシーンがてんこ盛りです。
1巻書き下ろしシーンとか、まさに「読みたいんでしょう?」でした。ご馳走さまでした。
確かにみたいシーンではあるんですが、気持ち悪く?胸焼けせず?作者しゃしゃり出てこないみたいな??
細部に気を使って描いているだけであって、ヒロイン×ストッキングを全面に押し出しておらず、ささやかに描かれているのです。
読者たる私が勝手に細部まで楽しんでいるのです。
だから、自然に目に入って「くっ可愛い・・・購読決定だ」と、ほいほいされたわけですが。
このヒロイン×ストッキングは1話にあり、この1話は無料で読めますので。
ぜひヒロイン×ストッキングを堪能してみてください。
そして良かったら1巻購入してみてください。
ベッドシーン、その後というていの書き下ろしがありますから。可愛いから。
早く3巻が読みたいです。
価格:648円 |